
今年、GMJメンバーは「サウンドメッセin大阪 2025」へ出展してきました。展示会も盛況に終わり、出展者からのコメントを紹介いたします。
【FURUYA GUITAR WORKS 古谷武久】
Sound Messe in OSAKA 2025、私も展示させていただいて例年になく盛り上がっていたと思います。
つい最近10周年を迎えたと思ったら、今年で12回目となるんですね。確か初回は千里中央で行い、当時は手工系のアコースティックギターが中心でしたが、徐々に大手メイカー、ウクレレ、エレキ、エフェクターと種類や趣向も幅広くなり、海外のルシアーの出展も増えてきて時代の流れを感じました。
私がはじめた25年前と比べると、現在は手工系のアコースティックギターの仕上げや音のバランスなどが格段とレベルアップしていて、それだけ技術的な情報や販路の拡大などあらゆる面で市民権を得てきたのだと思います。
そういうわけで、手工やメイカー品に関わらず多くの「いいギター」の中で個性を失わずにどう輝きつづけるかが自分にとって大きな課題と感じました。
ブースに立ち寄っていただいたお客様、ご来場のお客様ありがとうございました。


【Keystone Stringed Instruments 西恵介】
今年のサウンドメッセも無事終了致しました。
例年の如く、カナダ人製作家達との共同ブース/作品のLegacy Projectと、インレイ作家の小川インレイクラフトさんとの共同ブース/作品のJoint Worksでの出展でした。ブースが隣り合っているので其々を見ながらお客様対応をしつつと言う相変わらずのバタバタで全然写真が撮れませんでした、、、、
ですが今回は個人的には色々な点で今までで一番実りのある展示会となったと思います。何年国際化が進むサウンドメッセですが今年は特に外国からの出展、来場の割合が高かったと思います。北米から見るとアジアの市場にアクセスする玄関口の様に見えているようですし、アジアの製作家からすると北米やヨーロッパの市場や製作家同士の横のつながりを作る糸口になっているようです。
そんな中でどう存在感を示して自己の作品をアピールするか?そんな問いを毎回投げ掛けられていると感じています。もはや、良い物を作るのは当たり前で目立った者勝ちだ!と言った傾向に流れてしまいそうになりますがそれでも実感として会場を歩いて見るとやはり良い楽器は自ずから語りかけ目を引く物だなとも思いました。エレキギター等に比べて形状や色に、ある程度制約が有るからこそ、そのボディラインや塗装の仕上げ、質感やトータルデザインは際立って目に付くと感じました。 やはりどこまで行っても物作り其の物の真価が問われるのだなと感じ褌をギュッと締め直す心持ちになりました。
最後になりましたが関係者の皆様、ご来場頂いたお客様方、お疲れ様でした!有難うございました!


【KUROSAWA GUITARRAS 黒澤哲郎】
サウンドメッセにて、個人出展は今回で3回目となります。展示はスティール弦ギターが主体の土俵ということもあり、最初は慣れない14フレットジョイントギターという空気感を意識しすぎた楽器でした。2回目は、新しいモデルのクラシックギター。どちらもアウェイの環境の中では特定のお客様がほとんどでしたが、3回目の今年は「本来のあるべき姿」を確認できたと思います。 その意味していることは、クラシックギターである以上もっとも犯してはならないと思われる「枠からはみ出た楽器製作」であるのかもしれません。このGMJのメンバーたちと知り合えたことで、楽器の細部にまでわたる装飾とアイデアを勉強させてもらっております。しかし、その活かし方を少しでも間違えば自分を裏切ることとなり、クラシックギターを否定してしまうのではないかと考えました。そう、伝統を見つめ直すだけでもルネサンス・バロック・19世紀時代に遡れば、華やかな装飾、レイズドフィンガーに近いネック、駒のダブルホール、ラミネートなど十分なくらいに仕様を潤していたのです。
本来の姿を追求するだけで、十分に来客者を興奮させる楽器の素材は揃っているわけです。そう、これまで積み重ねてきたものを崩さずに経験を活かし、クラシックギターを展示しようと思いました。
今年はインレイやポジションマークに変わるセミレイズドの部分装飾、アームレストといった「枠に収まった楽器製作」を過分に追求したおかげで、クラギファン以外のお客様からもお声をかけてもらえるようになりました。そう、これこそが展示会の醍醐味だと信じております。
いつも温かく迎え入れてくださる関係者の皆様、お越しくださったお客様にお礼を申し上げます。

ギターをこよなく愛する日本の製作家達