スティール弦・クラシックギター

クラシックギターにエレキギターの弦を張ってみたら、すごくきれいな音でてびっくり!
という体験をしました。

なぜそんなことをしたか・・ 思いついたから興味本位で という感じなんですが、そもそも、ギターの大きな変革は常に弦から起きる という考えが元々あったのとスティール弦製作家の人達と交流する中で、自分なりに何か形にしたいという思いもありました。
イベント開催などでギターの歴史について触れる機会があり、下記のような事を知りました。


元々19世紀ギターの製作家だったシュタウファーの弟子だったマーチンは、アメリカに渡りギター作りを始めた。その後、マーチン社はガットではなくスティール弦をギターに張ることを試みた。
(※最初の投稿で、マーチンが鉄弦を張った と記載してしまっておりましたが、正しくはC.F.Martin本人ではなく、マーチン社が ということらしいので訂正致します。) 

張力が合計70キロ近くまで上がってしまって、通常のファンブレーシングだとギターがもたなかった

Xブレーシングにより、ボディ強度を確保。ネック反りを防止する為にトラスロッドを開発

アコースティックギターの完成

下記は自己調べ情報ですがアコースティックギターの完成からほどなくして出来上がった初期の頃のエレキギターにはアコースティックギター同様の70kg近いテンションの弦が張られていたが、弦の製作技術の向上により、細く均一なスティール弦が開発され現在はエレキギターの弦の合計張力は50キロほどのものが主流となっている。
中でもスーパーライトゲージは、合計張力がメーカー公表値によると40キロ程度しかなく、一般的なナイロン弦とほぼ同等のテンションである。よって、通常のクラシックギターに張っても構造的には耐える事ができ、ファンブレーシングから作られる音色は特有の音になる。
ワクワクしながら弦を張ってみると、想像以上に綺麗な音がでてビックリ。
音量もよく鳴る。実際に何名かのクラシックギタリストに見せた所、多くの方が好感触の意見を下さいました。

ギタリストの斎藤優貴くんは、ものは試しにと。浜離宮ホールでのコンサートで起用してくれました。ファゴットとの共演でしたが、音が違和感なく馴染んでいて客席で聞かせてもらったが、とても綺麗なな音楽を作り上げていた。
曲によってはナイロン弦のギターよりも良い音楽になってたのでは と思えるほどの完成度でした。新しい音で新しい音楽が生まれる事、とても楽しいしワクワクします。もちろん、斎藤くんの腕による部分が大きいのですが楽器は道具で、使い手次第で新しい可能性、感動を生むサポートをする事を実感しました。
スティール弦のギタリストからはどんな風にみえるのか、イベントでお会いした井草聖二さんに見て頂いた所、アコギともナイロンギターとも違うけどこれはこれで・・ という感じで、素晴らしい動画を撮ってYoutubeにあげてくださりました。本当にありがとうございます!

High-end classical guitar dedicated to electric guitar strings.

ギタリストは本当に柔軟な人が多く、ギターを見せるとこういう曲が合う、こういう奏法に適している など変わりモノのギターをすっと受け入れてくれる人がほとんど。
ナット&サドルを変えればどんなクラシックギターでも出来る試みではありますが気をつけなきゃいけない点は、弦が細い為、普通に弾いていたら駒穴は広がりやすくなるでしょう。長く使おうと思ったら骨による補強や、金属パイプによる強化など、対策は必要だと思います。
タッチによっては爪も痛むと思うので、試すのであればコーティング弦はおすすめです。
ちなみに上記の動画では、Elixir エレキギター弦 POLYWEB Super Light .009-.042を張っています。

多くの方がエレキ弦クラシックギターの可能性に背中を押してくださるので、一度はキチンと作ってみようと思います。
そのうちどこかで見かけたら、ぜひご試奏してご意見下さいね!